「屋根が浮いてますよ」と訪問業者に言われたら|一級建築士が嘘の見抜き方を解説
インターホンが鳴って、知らない業者にこう言われていませんか。
- 「お宅の屋根、浮いてますよ」と突然言われた
- 本当に壊れているのか、不安になっている
- 点検してもらうべき?それとも断るべき?
結論から言うと、やることは2つだけです。
屋根に登らせない。その場で契約しない。
いま玄関先なら、言葉は「点検は必要ありません」の一言だけでOKです。
ワイは一級建築士で、築古戸建てを6戸持つ現役大家です。
実はワイの家にも、この手の業者さんが来たことがあります。
プロの目線で「本当のところ」をお話しします。
この記事では、「屋根が浮いてますよ」が本当かどうかの見抜き方と、点検商法の手口・断り方・契約してしまった後の対処までまとめました。
- 一級建築士/現役サラリーマン大家
- 福岡で築古戸建を6戸運営
- 実体験ベースの大家ノウハウを発信中
【結論】屋根に登らせない・その場で契約しない

まず、いまドアの外に業者がいる人のために、対処をフローにしました。
- 対応はインターホン越しでOK(玄関を開けない)
- 「点検は必要ありません」の一言で断る
- もし契約してしまっても、8日以内ならクーリングオフできる
なぜ「登らせない」が最重要なのか
無料点検と聞くと「見てもらうだけなら」と思いがちです。
でも、屋根の上はあなたから見えません。
残念ながら、点検と称して屋根に登り、わざと板金を浮かせたり瓦をずらしたりして「壊れた写真」を作る手口が実際に報告されています。
登らせなければ、この手口は成立しません。
見てもらうだけでも、ダメなんだ…
「見るだけ」が一番危ないんよ。
屋根の上は、あなたから見えないブラックボックスやからね。
「屋根が浮いてますよ」は本当か?【一級建築士の見解】

下から一瞬見ただけで断定できるほど、屋根は単純じゃない
屋根のてっぺんにある板金(棟板金)は、地上から見えたとしてもごく一部・かなりの距離があります。
ワイたち建築士や屋根のプロが状態を確認するときは、はしごや足場、高所カメラやドローンを使います。
歩きながらチラッと見ただけで「浮いてます」と断定するのは、プロの仕事としてありえません。
つまり「近くを通ったら見えた」という指摘は、その時点で営業トークの可能性が高いと考えていいです。
「本当に浮いていた」としても、今日直す必要はない
ここが大事なポイントです。
仮に本当に板金が浮いていたとしても、即座に雨漏りするわけではありません。
屋根は下地や防水シートなど何層もの構造でできていて、板金の浮きひとつで今夜雨漏りが始まる、ということはまずないです。
「今日中に」「今すぐ」と焦らせるのは、比較する時間を与えたくない営業側の都合です。
安全に確かめる方法
- 自分で屋根に登らない(転落事故のほうがよほど怖い)
- その場で「壊れた写真」を見せられても信用しない(自分の家と確認するすべがありません)
- 気になるなら、自分で選んだ別の業者に点検を頼む
点検商法の手口は3ステップ【全国共通の決まりパターン】

この商法は、驚くほど全国どこでも同じ流れで進みます。
パターンを知っておくだけで、冷静に対応できます。
① 「近くで工事をしていまして」と突然訪問する
実際に近所で工事をしているとは限りません。
「ご近所」という言葉で警戒心を下げるのが目的です。
本当に工事をしていたとしても、それとあなたの家の屋根は別の話です。
② 「このままだと雨漏りしますよ」と不安を煽る
「浮いてる」「めくれてる」「釘が抜けてる」——言い方は色々ですが、共通するのは放置すると大変なことになる、という脅しです。
前の章で書いたとおり、板金の浮きで今夜雨漏りすることはまずありません。
③ 「今日契約なら値引きします」と即決を迫る
冷静に比較されると困るので、その場で決めさせようとします。
本当に適正な工事なら、値引きに「今日だけ」の期限をつける必要がないはずです。
ワイの家に来た業者さんも、まさにこの流れでした。
パターンを知っていたので、インターホン越しの一言で終わりました。
実際、この手口によるトラブル相談は国民生活センターに多数寄せられていて、警視庁も「点検商法」として注意喚起しています。
「うちに来たのと同じだ」と思ったら、それはあなたの家だけの話ではありません。
たとえば、実際に国民生活センターには、こんな相談が寄せられています。
突然来訪した業者に自宅の屋根がずれているので無料点検すると言われ、点検後、瓦がずれている画像を見せられ屋根工事の契約をした。しかし、同業他社から高額と指摘され、クーリング・オフしたい。
近所でビルの工事をしているという業者が来訪し、屋根工事が必要と言われ、父が契約をした。近所にそのようなビルはなく、不審なのでクーリング・オフしたい。
「屋根が浮き上がっているのが見えた。今日なら割り引く」と来訪した業者に言われ、屋根工事の契約をしたが、不審である。今後どうすればいいか。
出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」相談事例より
ちなみに、リフォーム業者の探し方全般の格付けは「リフォーム業者の探し方7選」でも解説していますが、訪問営業は7つの探し方の中で最下位の★1にしています。
断り方の実例【インターホン越しでOK】

基本は「点検は必要ありません」の一言
点検は必要ありません。お引き取りください。
ポイントは「考えておきます」「今は大丈夫です」と言わないこと。
曖昧な返事は「脈あり」と判断されて、再訪問につながります。
なお、「いりません」とはっきり断った人への再勧誘は、特定商取引法で禁止されています。はっきり断ることは失礼ではなく、一番正しい対応です。
食い下がられたときの返し
屋根のことは、決まった業者さんにお願いしています。
実際に決まった業者がいなくても、この返しで大丈夫です。
「うちが見ますよ」と返されても「間に合っています」で終わりにしましょう。
契約してしまった後でも:クーリングオフ8日間
その場の勢いで契約してしまっても、あきらめないでください。
訪問販売の契約は、契約書面を受け取った日から8日以内なら、無条件で解除(クーリングオフ)できます。
- 理由の説明は不要。「クーリングオフします」と書面(ハガキ等)で通知すればOK
- 書き方が不安なら消費者ホットライン「188」に電話すれば教えてもらえます
- 工事が始まっていても、8日以内なら原則解除できます
出典:国民生活センター「クーリング・オフについて」(訪問販売は8日間)
本当に修理が必要なときの、正しい業者の探し方

「そうは言っても、うちの屋根は築年数的にそろそろ心配…」という人もいますよね。
その場合の正解はシンプルです。
訪問してきた業者には頼まない
修理そのものが必要かどうかと、目の前の業者に頼むかどうかは別の話です。
「向こうから来た業者」ではなく「自分で選んだ業者」に頼む。これだけで悪徳業者の大半を避けられます。
自分で選んだ3社で見積もりを比べる
業者選びの基本は3社比較です。
審査済みの業者をまとめて比較できる一括見積もりなら、悪徳業者の排除と相見積もりが一度にできます。
ワイが5戸のリフォームで行き着いた結論は「比べた人から失敗しなくなる」です。
※申込は1回だけでOKです(同じ内容の重複申込は無効になる場合があります)。
比較したあとの断り方は「リフォーム相見積もりの断り方|文例集」に、コピペで使える文面を用意しています。
「屋根が浮いてますよ」に関するよくある質問【FAQ】
無料点検だけ受けるのはあり?
おすすめしません。
屋根に登らせた時点で「壊された写真を作られる」リスクが生まれます。
点検が必要だと感じたら、自分で選んだ業者に頼みましょう。
本当に近所で工事をしていたら、信用していい?
工事が事実でも、契約は別の話です。
「近くで工事している」は警戒心を下げる定番の入り口なので、どんな業者でも「その場で契約しない」は変えないでください。
どこに相談すればいい?

契約やお金のトラブルは消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センターにつながります)。
業者が帰らない・怖いと感じたら警察相談専用電話「#9110」、緊急なら110番です。
まとめ|「屋根が浮いてますよ」対応の3鉄則

- 屋根に登らせない(「見るだけ」が一番危ない)
- その場で契約しない(本当に必要な工事なら明日でも間に合う)
- 直すなら自分で選んだ3社から(向こうから来た業者に頼まない)
突然「屋根が浮いてる」と言われたら、誰でも動揺します。
でも、仮に本当に浮いていたとしても、今日その場で契約する理由はひとつもありません。
落ち着いて断って、必要なら自分のペースで、自分の選んだ業者に見てもらいましょう。
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最後まで読んでくれてありがとう!
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