【現役大家に聞く!】築古戸建×ペット可の注意点5選|リスク・敷金・特約・客付けまで完全解説
- 築古戸建を募集してるけど、立地が弱くて決まらない…
- 仲介から「ペット可にしたら一気に決まる」と言われたけど、退去時の原状回復が不安
- 家賃・礼金の上乗せ相場や特約の書き方が分からない
みつ先生〜!築古戸建を買ったんだけど、立地がちょっと弱くて募集が止まってて…。仲介さんから『ペット可にしたら一気に決まりますよ』って言われたんだけど、迷ってるんだよね…
ペット可にするか悩むよね、わかる〜。ワイは原則OKにしとるよ。築古戸建×ペット可は、ぶっちゃけかなり相性のいい組み合わせばい。
築古戸建投資をやっていると、必ず一度は通る「ペット可」問題。
結論から言うと、築古戸建×ペット可はかなり相性のいい組み合わせです。集合住宅では諦められがちな「大型犬」「多頭飼い」「庭付きで遊ばせたい」というニーズを、戸建賃貸はまるごと取り込めるんですね。
ただし、何の準備もせずに受け入れると、退去時の原状回復で一気にしんどくなります。そこで今回は、築古戸建でペット可を検討している大家さんに向けて、5つのよくある質問を、現役大家のみつ先生がズバッと答えていきます。

- 一級建築士/現役サラリーマン大家
- 福岡で築古戸建を複数棟運営
- 実体験ベースの大家ノウハウを発信中
相談事例①:築古戸建ってペット可にするべき?
相談者:30代男性(築古戸建1棟所有・サラリーマン大家)
相談内容:「築40年の戸建を買ってリフォームしたんですが、駅から徒歩20分で募集が止まっています。ペット可を検討中ですが、築古戸建にはアリなんでしょうか?」
築古戸建だからこそ、ペット可って意味あるの?
むしろ築古戸建こそペット可にするべきですね。理由は3つあります。
- もともと古いから、傷や経年劣化を気にする必要が少ない
- 戸建は集合住宅と違って、鳴き声トラブルが起きにくい
- 庭付き・広さがあるので、大型犬や多頭飼い層を取り込める
集合住宅じゃ無理な層が来てくれるってことだ!
そう!ペットを飼いたい人の中には、『集合住宅で諦めた』『大型犬で物件が見つからない』『多頭飼いしたい』っていう、強烈にニーズがあるのに供給が少ない層がいる。
築古戸建は駅から遠くても、庭があって広くて家賃も手頃なので、この層にはむしろ刺さる。
むしろ「静かな住宅街で犬を飼いたい」って人にとっては、駅から遠いほうがプラス評価になることもあります。
- 築古戸建×ペット可はむしろ相性◎。古さがマイナスにならない
- 戸建ならではの広さ・庭・静かさで大型犬・多頭飼い層を取り込める
- 「立地が弱い」物件こそペット可で逆転できる余地がある
相談事例②:ネコと犬、どっちもOKにしている?
相談者:40代女性(築古戸建2棟所有)
相談内容:「ペット可にしたいんですが、ネコと犬、どっちが大家にとってリスクが少ないんでしょうか?大型犬もOKにすべきですか?」
結論から言うと、ネコと小型犬はどっちもOKですが、大型犬は物件次第ですね。
えっ、ネコのほうが傷つけそうなイメージだったけど…
実はネコのほうが飼い主の管理がしっかりしていれば被害は少ない。爪とぎ器をちゃんと使ってもらえば、壁や柱への被害はかなり防げます。鳴き声も小さいので近隣トラブルもほぼなし。
ワンちゃんは?
犬は鳴き声と噛み癖がリスクです。特に小型犬は無駄吠えが多いタイプもいるので、そこは注意が必要。ただ、しつけがされていれば問題ないことが多いですね。
- ネコ:爪とぎの被害(壁・柱)/尿の臭い/脱走 → 爪とぎ習慣の確認で軽減
- 小型犬:鳴き声/噛み癖/フローリングの傷 → しつけで軽減
- 大型犬:床・壁の損傷大/広さが必要 → 大規模リフォーム済み物件のみ要検討
- 多頭飼い:臭い・損傷ともに頭数倍 → 礼金・家賃で別途上乗せ
大型犬OKにする価値は十分あります。ただ、大型犬を入れると、退去時のダメージが大きい。エリア的に入居付けがより厳しい、半年間入居が決まらなかったなどで検討かな。
- ネコ・小型犬はOK。意外とネコの方が被害が少ない
- 大型犬は物件次第。リフォーム済み・入居付けが厳しいエリアで検討
- 多頭飼いは礼金・家賃で頭数分しっかり上乗せする
相談事例③:ペット可で起こるリスクって、結局なに?
相談者:30代男性(築古戸建購入検討中)
相談内容:「ペット可は決まりやすいって聞きますが、具体的にどんなリスクがあるんですか?」
リスクは大きく3つに分けて考えると整理しやすいですよ。
- 退去時の原状回復が大きくなる(傷・臭い・クロス交換)
- (死骸の)臭いが残ることがある(特に多頭飼いや無断放置)
- 近隣トラブル(鳴き声・糞尿・脱走)
死骸の臭い…!
これは最悪のケースですが、ペットを飼っているお宅で動物が亡くなって、適切に処理されなかった結果、床下や壁に臭いが染み込んでしまった、という事例もある。
やっぱり、リスクはあるんや。
築古戸建だと木造で吸い込みやすいので、なおさら注意が必要。ただ、これは償却の特約と退去時の臭気除去費用を契約書に明記しておけばカバーできます。詳しくは事例⑤で説明しますね。
- 床はクッションフロアにしておく(汚れに強い・交換が安い)
- 壁は退去時にクロス全面張替え前提でコストを織り込む
- 水回り・キッチン下は防臭・防水処理を強化
築古戸建のリフォーム時点でペット仕様を意識した内装にしておけば、退去時のリスクは大幅に下げられます。これは戸建大家の腕の見せどころですね。
- 3大リスクは原状回復/死骸の臭い/近隣トラブル
- 築古戸建は木造で臭いが染みやすいので特に対策が必要
- リフォーム時にクッションフロア+クロス前提で内装を仕上げる
相談事例④:家賃や敷金って、いくら上乗せしていいの?
相談者:50代男性(築古戸建1棟所有)
相談内容:「ペット可にしたら、家賃や礼金を上げてもいいって聞きました。相場はどれくらいなんでしょうか?」
これは地域とペットの種類で変わるんですが、ワイのエリア(福岡)の目安となる相場をお伝えします。
- 家賃上乗せ:月+3,000〜5,000円(1匹あたり)
- 礼金:通常+1〜2ヶ月分
- 多頭飼いの場合:頭数に応じて家賃・礼金を加算
家賃に含めちゃう大家さんもいる?
いるよ。家賃+5,000円にしておいて『ペット可』と打ち出す戦法と、家賃は据え置きでペット飼育料を別途徴収する戦法の2パターン。
どちらにすればいいの?
物件の家賃帯と、競合のペット可物件がいくらで出ているかを仲介さんにヒアリングして決めるのがベスト。
敷金じゃなくて、礼金なんやね
そう。好みですが、自主管理の場合、敷金のプールは物件が増えていくと管理が大変。礼金として受け取る方法を採用している。
- パターンA:家賃+3,000円/礼金1ヶ月
- パターンB:家賃据え置き/礼金2ヶ月
- パターンC:家賃据え置き/礼金0ヶ月
ワイはパターンAがこれまで多かったです。その後、交渉があるので高めに設定。交渉はケースバイケースで対応。
ただ、Bで対策する大家さんも知り合いにいるので、好きな手法で試してみてください。
- 家賃上乗せの相場は+3,000〜5,000円、礼金は+1〜2ヶ月
- 自主管理は礼金で受け取る方が管理がラク
- 競合のペット可物件をヒアリングして自身のパターンをつくる
相談事例⑤:契約書の特約には何を入れるべき?
相談者:40代男性(築古戸建2棟所有)
相談内容:「ペット可で募集する予定ですが、契約書の特約をどう書けばいいか分からず、ひな型のまま使うのが不安です。何を入れればいいですか?」
特約は実務で一番効くポイントです。これをちゃんと作っておけば、退去時のトラブルの大半は防げます。

- 飼育可能なペットの種類・頭数を明記:「小型犬1匹/猫2匹まで」など具体的に。種類変更・追加は要事前承諾
- 追加賃料・礼金(または敷金償却):頭数超過時は1頭あたり月額加算と明記
- 原状回復の負担範囲:「ペットによる引っかき傷・噛み跡・尿臭の除去・クロスや柱の交換は借主負担」と具体例を明記
- 騒音・糞尿・健康管理:近隣トラブル即対応/糞尿処理・清潔保持・疾病予防まで明記
- 死亡時処理・違反時解除:敷地内埋葬禁止/重大違反時は飼育承諾解除・退去請求可
ポイントは「金額を明確に書く」こと。曖昧な特約は裁判で無効化された判例があるので、具体的な金額を入れるのが大事ですね。
あと忘れちゃいけないのが、契約時の口頭説明。特約に書いてあっても、説明していないと「そんなの聞いてない」ってモメる原因になります。
仲介さんに事前に伝えて、契約前と契約時に伝えてもらいましょう。
💡補足|実際に使っている特約サンプル
ワイが実際に契約書で使っているペット飼育条項のサンプルを紹介します。コピペベースで使えるよう条文形式でまとめてあります。
📄 ペット飼育の特約サンプルを見る(クリックで展開)
- 以下は、実際の契約をベースにしたあくまでサンプル文案です
- 法的効力を保証するものではありません
- 本記事の内容を参考にしたことによって生じたトラブル・損害・紛争について、当ブログおよび筆者は一切の責任を負いません
- 実際の契約書に使用する際は、必ず管理会社・弁護士・行政書士など専門家にご確認のうえ、ご自身の責任でご利用ください
- 物件の事情・地域慣習・法改正によって最適な文言は変わります
① 飼育可能なペットの種類・頭数を明記
現在承諾しているペットは小型犬1頭とする。飼育するペットの種別・頭数を変更する場合は、事前に貸主の承諾を得るものとする。
② 頭数超過時の追加賃料
承諾頭数を超えてペットを飼育する場合は、1頭につき月額3,000円を賃料に加算して支払うものとする。なお、その後ペットの飼育をしなくなった場合においても、賃料の減額は行わないものとする。
③ 騒音・臭い等のトラブル対応+違反時解除
近隣への騒音・臭い等のトラブルが生じた場合は、借主の責任において速やかに対処するものとする。また、話し合いで解決に至らない場合、貸主はペット飼育の承諾を解除し、退去を求めることができるものとする。
④ 糞尿処理・悪臭防止
ペットの糞尿は借主が責任をもって処理し、住居内および敷地内で悪臭が生じないよう常に配慮するものとする。
⑤ 衛生管理・健康管理
ペットは常に清潔を保つとともに、疾病の予防・衛生害虫の発生防止等、健康管理に細心の注意を払うものとする。
⑥ 死亡時の処理(敷地内埋葬禁止)
ペットが死亡した場合は適切に処理するものとし、敷地内への埋葬は禁止とする。
⑦ ペット飼育による原状回復
本契約終了に際しての原状回復工事は、借主による本物件明け渡し後、貸主が指定する工事業者等により実施する。借主は、経年劣化、通常使用に伴う損耗を除き、借主の故意・明らかな過失によって生じた損傷については、貸主に対し原状回復費用を支払うものとする。また、ペットの飼育による汚損・破損は借主の費用負担にて原状回復を行うものとする。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、法律上の助言を行うものではありません。実務利用時は必ず専門家にご相談ください。
- 特約は5項目を最低限追加しておく(種類頭数/追加賃料/原状回復/騒音糞尿/死亡時処理)
- ポイントは金額を具体的に書くこと(曖昧な特約は無効化判例あり)
- 契約時の口頭説明+署名でトラブル予防の最後の鍵をかける
実践に向けた次のアクション
ペット可で運営する準備が整ったら、次は具体的な実務に落とし込みましょう。
- リフォーム時にクッションフロア+クロスを採用する
- 仲介に「ペット可」で募集を依頼(家賃・礼金パターンも相談)
- 契約書に5項目の特約を追加+契約時に口頭説明
- 競合のペット可物件の家賃帯を確認して値付けを最適化
まとめ|築古戸建×ペット可は、空室対策の最強カードのひとつ
最初は不安だったけど、ちゃんと仕組みを作れば全然怖くないんだね!
そうばい。築古戸建×ペット可は、集合住宅では取れないニーズを丸ごと取り込める強い空室対策になる。今回のポイントを振り返っておきましょう。
- ① ペット仕様の内装にしておく(クッションフロア・クロス)
- ② 家賃・礼金で原状回復リスクをカバーする仕組みを作る
- ③ 契約時に5つの特約+丁寧な口頭説明でトラブルを未然に防ぐ
築古戸建の弱点(古さ・立地)を、ペット飼育者にとっての強み(広さ・庭・気にせず使える)に変えるのが、この戦略の本質です。一度仕組みを作れば次の物件でもそのまま使えるので、ぜひ早めに整えておきましょう。
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