• 引き渡しを受けたあと、何からやればいいんだろう
  • 契約したけど、何がわからないかが、わからない・・・
みつ先生

初めて物件を買ったとき、ワイもそう思いました。

ネットで調べると出てくるのは住民票の移動とか、住宅ローン控除の申請とか——マイホームを自分で住む人向けの情報ばかりです。

賃貸用に買った大家が知りたいのは、そういうことじゃないですよね。

入居者を迎えるために動くべきことは、自己居住者とはまったく違います。
火災保険ひとつとっても、「建物所有者として入る保険」と「入居者が入る家財保険」は別物。電気や水道も、リフォーム業者が初日から動けるよう、引き渡し前に手配しておく必要があります。

この記事では、賃貸用に中古住宅を購入したあと、大家として動くべき手順を時系列のチェックリスト形式でまとめます。「何をいつまでにやるか」が一目でわかるよう整理しましたので、ぜひ手元に置いてご活用ください。

大前提:引き渡し日を「すべての起点」にする

まず知っておいてほしいのは、引き渡し日がすべての手続きの起点になるということです。

引き渡し日とは、物件の所有権が正式に自分に移る日のこと。この日から法的に「あなたの物件」になります。

つまり、この日から火災保険が必要になり、この日からリフォームが動かせる。逆に言えば、引き渡し日が決まらないと後続の手配がすべて宙に浮いたままになります。

全体の流れはこうなります。

▼ 引き渡し日を起点にすべての手続きが動き出す

📅 引き渡し日(起点)
🔥
火災保険
当日から有効に
💧
電気・水道
着工前までに
🔑
キーボックス
当日に設置
🔨
リフォーム確認
当日に打ち合わせ
📦
残置物処理
着工前〜並行して
👋
近隣挨拶
着工前に済ませる

この流れを頭に入れた上で、各ステップを確認していきましょう。

STEP1|引き渡し日の確認(契約完了後すぐ)

売買契約書で定められた残代金決済時(=引き渡し日)です。
この時点で民法に基づき、売主から買主への所有権移転が意思表示により発生します。

引き渡し日は売買契約書に記載されていますが、あらためて不動産会社や司法書士から連絡が来たタイミングで、以下の3点を確認しておきましょう。

確認項目なぜ必要か
引き渡し日時(日付と時間)火災保険・ライフライン手続きの期限を決めるため
引き渡し場所(現地 or 司法書士事務所)当日のスケジュールを組むため

引き渡し日が確定したら、この日を基準にして次のSTEP2とSTEP3の手続きを同時に動かし始めます

チェック:引き渡し日時をカレンダーに記録し、火災保険・電気・水道の手配を開始したか?

STEP2|火災保険の契約(引き渡し日当日から有効に)

物件の所有権が移るその瞬間から、建物に関するリスクはすべてあなたが負います

引き渡し翌日に火災が起きても、保険に入っていなければ全額自己負担です。他人ごとに聞こえるかもしれませんが、空き家にしてリフォーム工事中の物件は火災リスクが特に高い。引き渡し日当日から補償が始まるよう、契約は前日までに完了させておきましょう。

賃貸物件には「建物所有者向け火災保険」が必要

賃貸物件に入る火災保険には2種類あります。混同しやすいのですが、役割がまったく異なります。

保険の種類誰が入るか何を補償するか
建物所有者向け火災保険大家(あなた)建物そのもの
家財保険入居者入居者が持ち込んだ家財

大家として入るのは「建物所有者向け火災保険」です。入居者の家財は入居者自身が保険で守ります。

保険会社や代理店によっては申込みから手続き完了まで数日かかることがあります。引き渡し日の1〜2週間前には申込みを完了させておくのが安心です。

チェック:建物所有者向け火災保険を、引き渡し日当日から有効になるよう契約したか?

関連記事:築古戸建の火災保険おすすめ5社比較|相場と選び方【築古戸建て塾】

STEP3|電気・水道の開通

引き渡し後すぐにリフォームを始めるためには、電気と水道が使える状態になっていることが前提です。

リフォーム業者が現地に入った初日に「電気も水も通ってない」では、作業がその日からストップしてしまいます。引き渡し日に合わせて、着工予定日の3日前までに開通手続きを完了させておくのが安全です。

ガスはリフォーム時に使わない想定で筆者は契約していません。もし、リフォーム中にガスも使う場合は、ガス会社への開栓連絡と立会いが必要です。

参考記事:賃貸のガス開栓と入居前点検|大家が知るべき手順と注意点

電気の開通手続き

  1. 管轄の電力会社に「電気使用開始の申込み」を行う(WEBまたは電話)
  2. 担当者が現地でメーターの確認・通電作業を行う(立会いが必要な場合あり)
  3. リフォーム期間中の使用分は大家名義で契約しておく

入居者が入ったあとは、電気の契約は入居者自身が行うのが一般的です。リフォーム中は大家名義のままにしておき、入居日前後に切り替える流れになります。

契約は東京電力、九州電力のように〇〇電力といった大手で結ぶと直ぐに開通できて便利。

電気供給地点特定番号が分かると、開通がスムーズです。

引用:九州電力
らび

内見時に番号確認してなかった・:・

みつ先生

無くても申込みはできる所もあるよ。
その場合は、電話で前の契約者の名前を確認されたりするよ。

水道の開通手続き

  1. 市区町村の水道局(または指定の給水装置工事事業者)に「使用開始の連絡」を入れる
  2. 元栓・止水栓の位置を現地で確認しておく
  3. リフォーム後に漏水チェックを行うためにも、早めに開栓しておくと安心

水道の名義や入居後の手続き方法は物件・地域によって異なります。
不明な場合は管理会社か水道局に確認してください。

よくある失敗談

引き渡し当日に現地へ行ったら電気も水道も止まったまま、ということは珍しくありません。「明日から着工できます」と業者に伝えてあっても、ライフラインが使えないと作業がストップします。手配は余裕を持って、着工3日前までに

チェック:電気・水道の開通申込みを、リフォーム着工前までに完了したか?

STEP4|キーボックスの設置(引き渡し当日)

引き渡し当日、現地でまず最初にやることがキーボックスの設置です。

キーボックスとは、玄関ドアや外壁などに取り付けて暗証番号で鍵を取り出せるボックスのこと。これがあれば、大家が毎回現地に行かなくてもリフォーム業者・管理会社・内見希望者が自由に出入りできます。

特に遠方の物件を持っている場合、キーボックスがないと業者が来るたびに立会いが必要になり、スケジュール調整だけで時間をとられます。引き渡し当日に設置しておくことで、翌日からリフォーム業者がすぐ動けます。

設置のポイント

項目ポイント
取り付け場所玄関ドアのノブ、または外壁の目立たない場所
暗証番号推測されにくい4〜6桁(生年月日・「1234」は避ける)
鍵の入れ方スペアキーを1本入れる。元鍵は別で保管
共有先の管理リフォーム業者・管理会社には番号を共有。内見時は一時的に開示し、終了後に番号変更

ホームセンターやAmazonで2,000〜5,000円程度から購入できます。引き渡し前日までに入手し、当日すぐに取り付けられるよう準備しておきましょう。

おすすめ👇️

らび

コスパもよくていいね!

みつ先生

3種類ほど試して、このキーボックスが開けやすく民泊にも使っています!

チェック:引き渡し当日にキーボックスを設置し、リフォーム業者に番号を共有したか?

STEP5|リフォーム内容と工程の確認

キーボックスを設置したら、リフォーム業者と現地で打ち合わせを行います。見積もりはすでに取っているはずですが、実際に現場を見ながら「工事内容・工程・完工予定日」を改めて確認しておくことが大切です。

現地で確認すべき5項目

確認項目チェックポイント
工事範囲見積もりの内容と現場の状況が一致しているか
完工予定日入居可能日を告知するための根拠になる
追加工事の可能性解体後に追加費用が発生しやすい箇所はどこか
近隣への挨拶業者がやるか、大家がやるか(どちらかが必ずやる)
廃材・残置物の処分工事と一緒に処分するか、別業者に任せるか

「開けてみたら追加工事」は築古あるある

床下、壁内、屋根裏——解体してみて初めてわかる劣化は、築古戸建てには付き物です。「予算内で収まると思っていたのに、解体したら追加で30万かかった」という話はよく聞きます。

事前に「追加費用が○万円を超える場合は必ず連絡して確認を取ること」というルールを業者と合意しておくと、後々のトラブルを防げます。金額の上限は自分の判断基準に合わせて決めておきましょう。

関連記事:築古戸建は全部直すな!修繕の判断基準と優先順位

工程が確定したらやること

完工予定日・中間確認日・最終確認日をカレンダーに入れておきます。

入居可能日はリフォームの目処がついた段階で募集を開始しましょう。初めてのリフォームだと、追加で作業したりと思ったようにいかないことが多いです。
入居者募集を先に出してしまうと、工程が遅れたときに約束が守れなくなるので注意してください。

✅ チェック:工程スケジュールを相談し、完工予定日を打合せできたか?

関連記事:リフォーム業者の探し方7選|悪徳業者の見分け方も解説

STEP6|残置物の片付け手配

築古の中古物件には、前の所有者や住人が置いていった残置物が残っていることがあります。

家具、家電、衣類、食器、雑誌、なぜかタイヤ——量が多いときは部屋中がものであふれています。残置物はリフォームの邪魔になるため、着工前か着工と同時に片付ける必要があります。

処分方法

  1. 自分で処分する
  2. 不用品回収・遺品整理業者に依頼する

大きくこの2つです。
頼めば早いと半日で片付けが終わる一方で20〜30万前後の処分費がかかります。

自分ですると5万円前後で終わりますが、時間が数日かかります。

絶対に忘れないでほしいこと

残置物の中に通帳・印鑑・現金・権利証・貴金属といった貴重品が含まれていることがあります。

業者に丸投げする前に、必ず大家自身が残置物の中身を確認してください。見落としたまま処分されてしまうと取り返しがつきません。

チェック:残置物の中に貴重品がないか自分の目で確認し、処分方法と業者の手配を完了したか?

STEP7|近隣挨拶(リフォーム着工前)

引き渡しが完了したら、リフォーム着工前に近隣への挨拶を済ませておきましょう。

工事中は騒音・振動・業者の車の出入りなどで近隣に迷惑をかけます。事前に一言あるだけで、クレームやトラブルのリスクが大きく下がります。

挨拶の範囲と担当

項目ポイント
挨拶の範囲両隣・向かい3軒・裏の計6軒が基本(戸建て)
担当大家がやるか、リフォーム業者がやるか事前に確認
タイミング着工1〜3日前まで
手土産不在のときように、自己紹介の紙を作成

大家が直接行くメリット

リフォーム業者が挨拶するケースも多いですが、大家が自分で行くことで「オーナーがいる物件」という安心感を近隣に伝えられます。

将来、入居者と隣人の間でトラブルが起きたとき、顔見知りの大家がいると調整しやすい。長期的な賃貸経営を考えるなら、大家自らの挨拶をおすすめします。

チェック:リフォーム着工前までに、近隣(両隣・向かい・裏)への挨拶を済ませたか?

【保存版】引き渡し後にやること全チェックリスト

▼ 引き渡しから入居者募集までの全ステップ

1
引き渡し日を確認する 契約完了後すぐ

火災保険・電気水道・リフォーム全手配の起点

2
🔥 火災保険を契約する 引渡し1〜2週間前

建物所有者向け。空き家期間も補償されるプランを選ぶ

3
💧 電気・水道を開通する 着工前まで

リフォーム業者が初日から動けるよう先に手配

4
🔑 キーボックスを設置する 引き渡し当日

業者が大家不在でも出入りできる環境を作る

5
🔨 リフォーム工程を確認する 引き渡し当日

完工予定日を確認し入居可能日を逆算する

6
📦 残置物を処分する 着工前〜並行して

処分前に貴重品チェック必須。複数業者で相見積もり

7
👋 近隣への挨拶 リフォーム着工前

両隣・向かい・裏の6軒へ。大家自ら行くと信頼感UP

よくある質問

Q. 火災保険は引き渡し前に申込みできますか?

はい、引き渡し日が決まっていれば、引き渡し前から申込みできます。
補償の開始日を「引き渡し日」に設定して契約しましょう。保険会社によっては手続きに数日かかるため、引き渡し1〜2週間前には動いておくのが安心です。

Q. 電気・水道の開通に立会いは必要ですか?

電気は立会いが必要なケースと不要なケースがあります。申込み時に確認してください。

水道は元栓・止水栓の位置がわかれば、自分で開けられることが多いです。ただし長期間使用していなかった物件は、開栓後に漏水が起きることがあるため、リフォーム業者と一緒に確認しておくと安心です。

Q. キーボックスはホームセンターで買えますか?

はい、ホームセンターやAmazonで購入できます。2,000〜5,000円程度のものが一般的です。取り付けタイプ(ドアノブに引っかけるもの)は工具不要で設置でき、物件を変えても使い回せるので便利です。

おすすめのキーボックス👇️

Q. 残置物が大量にある場合、費用はどれくらいかかりますか?

1戸の残置物を不用品回収業者に依頼した場合、20~40万円程度が目安です。ただし、内容(大型家具・家電の有無など)やエリアによって金額が大きく変わります。

必ず複数業者から見積もりを取って比較してください。

Q. 駐車場がない物件の場合、どうすればよいですか?

リフォーム業者の作業車・内見時の来客車のために、物件近くの月極駐車場を契約しておくことをおすすめします。

  • リフォーム中:業者の作業車の駐車場所を確保できる
  • 内見時:内見者が車で来られるよう駐車場所を用意できる
  • 入居後(特に地方):車が生活必需品のエリアでは、駐車場セットで貸すと入居付けが大幅にスムーズになる

地方物件では駐車場の有無が入居の決め手になることも多いです。物件に駐車スペースがない場合は、早めに近隣の月極を押さえておきましょう。

まとめ

賃貸用に中古住宅を買ったあとにやることを、大家目線でまとめました。

最大のポイントは「引き渡し日を起点にして、火災保険・電気水道・リフォームをすべて逆算する」こと。この日から手続きが走り始めます。

ステップやることタイミング
STEP1引き渡し日を確認する契約完了後すぐ
STEP2火災保険を契約する引き渡し1〜2週間前までに
STEP3電気・水道を開通する着工前までに
STEP4キーボックスを設置する引き渡し当日
STEP5リフォーム工程を確認する引き渡し当日
STEP6残置物を処分する着工前〜並行して
STEP7近隣への挨拶リフォーム着工前

一つでも抜けると後工程が止まります。「引き渡し日が決まったらすぐ動く」——この意識だけ持っておけば、入居者募集まで最短で進められます。

参考記事:築古戸建を直す記事一覧

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みつ
「築古戸建てで副収入を作りたい」会社員・教員の方へ。一級建築士の大家みつが、物件選び・DIY・入居付け・収支公開をリアルに発信。福岡で5戸運用中の実体験をもとに、初心者が1戸目を取得できるよう、失敗も含めて全部見せます。